第一章:日本の講談に似た中国話芸、“説書芸”

 

講談は、「一人の講談家が高座に上がり、先ずマクラを振り、その日の客席の様子を探り、その後に本題に入って行く話芸で、そして、講談家が1つの筋書きを第三者として読んで行き、時々その中の複数の登場人物を演じ分ける話芸」と定義出来る。

ところで、同様な話芸は中国語で“説書”(書物を説く)芸と呼ばれ、中国の各地に点在している。例えば、華北地方(北京、天津など)や北西部(四川)では“評書”、揚子江下流一帯(蘇州、南京、揚州、上海、杭州、寧波)や、さらに南の福建省では“評話”と呼ばれる。因みに、周良著「蘇州評弾」2000年版よると、「“評話”は“平話”とも呼ばれ、宋代(12世紀;平安時代末期)には《新編五代史平話》が有り、元代(13-14世紀;鎌倉、南北朝)には《全相平話》や《西遊記平話》が有った。羅Yの《酔翁談録》や《舌耕叙云・小説引子》には「舌先三寸を用いて、天下の浅き事を意味深長に評する」という記述がある。ここに“評話”の“評”の字の由来が有り、評論という意味が含まれている。後に、北方は評書、南方が評話として発展した」と言う。

 

第二章:最も流行っている“説書”は“蘇州評弾”

 

それでは、現時点でもっとも流行っている“説書”は何であろうか。また、我々外国人が最も接しやすいのはどれか?それをプロの演者がいて、一年中興行を打てる定席が有って、多くの聞き手がいる場所と限定すると揚子江下流一帯の“評弾”と呼ばれる芸、とりわけ蘇州方言で演じられる“蘇州評弾”が当てはまる。

これは、蘇州方言で演じられ、その中には、“評話”及び“弾詞”という2種類に分けられる。前者は “大書”とも呼ばれ、基本的には第一章で述べた講談の定義とほぼ一致する。他方、後者は “小書”と呼ばれ、上記講談の定義が大前提で、その上に口演者の楽器演奏、唄い調子が追加される。なお、詳細は第三章ー2.蘇州評弾の特徴にて後述する。

 

ー続くー