招請の目的、意義、期待される効果

1)  日本の講談師と中国の蘇州評弾家が、共通の話芸を通じて交流・親睦を深め、互いの芸を磨く。
 因みに共通の話芸とは、「演者が高座に上がり、講釈台を前にして、先ずマクラを振り、その日の客席の様子を探り、その後に本題に入って行く話芸で、一方、演者は、釈台(中国語では書台)を前にして、扇子(張扇)、拍子木、手拭(ハンカチ)等の小道具を用い、1つの筋書きを第三者として読んで行くのを主とし、その時々にその中の複数の登場人物を演じ分ける話芸」と位置づけられる。

2)  日本の講談師と中国の蘇州評弾家が同じ舞台にて公演することによって、講談愛好家、演芸関係者、文化活動従事者に、日本と中国に類似の話芸が存在することを広く認知させる。

3) 評弾家に日本の講談を初めとした演芸事情の視察を通じて日本演芸界への理解を深めることによって、日本の講談師と中国の蘇州評弾家の今後の更なる交流を促す。

 

今回の招請に至る経緯

当会代表で講談師である宝井琴梅は、20041025日より同月30日まで、当会事務担当者である福島守を伴い、上海、蘇州の評弾関係施設を視察し関係者と交流を行った。これは、福島がそれまで20年間で培った評弾芸に対する知識と人脈に基づくものである。この時、宝井琴梅は、今後蘇州評弾と交流を促進し親睦を深めることによって、日本・中国双方の演者にとって互いの芸を磨くことが出来ると確信した。

その後、宝井琴梅は本年3月、「日中講談交流仲間の会」の設立を発案し、講談師28名(会員)と講談愛好家40名(準会員)、計68名が名を連ねた。

同計画に基づき、本年1015日より19日まで中国講談視察ツアーを、中国蘇州評弾博物館の受け入れのもとに、しかも、同館がこの一ヶ月間主催した「中国で最も美しい声・蘇州評弾芸展示月間」の一環として実施した。ツアーには宝井琴梅が団長に就任し、副団長の桃川鶴女を初めとして講談師が計7名、講談愛好家12名、そして通訳&日程のコーディネートを福島守が担当し、計20名が参加した。その結果、現地のメディアでも多数取り上げられ、現在でも中国語URLにて検索できる。さらに中国演芸者の中央団体である「中国曲芸家協会」のURLにも「蘇州講談と日本講談の対話 芸は相通じ、共に発展」という表題にて掲載されている。